オピニオン誌「Renaissance」vol.3(2020年冬号)

「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」

 

安倍首相は3年前、ビデオメッセージでこう意気込みました。

 

不安定化する中東、軍拡を押し進める中国......世界情勢の雲行きが怪しくなる中、日本も国防を強化するため、憲法改正を進めることは当然のように思えます。

 

しかし、今の自民党が進めようとしている「憲法改正論」には、いくつもの欠点があることを、あなたはきちんと理解しているでしょうか?

 

例えば、自民党は「憲法に“自衛隊“を明記すること」を公約に掲げています。しかし、軍事の専門家によれば、今の憲法に“自衛隊“を追記したところで何の問題解決にもならないそうです。一体なぜでしょうか?

 

また、憲法改正・賛成派の人たちの多くが、「日本は他国から攻められても反撃できない。だから憲法を改正しなければいけない!」と主張していますが、実はこの考え方には“ある落とし穴“が潜んでいます。あなたはそれに気付いているでしょうか?

 

"最初のボタンをかけ間違えると、全てが間違ってしまう状況が起こるだろう..."

 

元米軍の軍事コンサルタント:飯柴 智亮氏は、自民党の改憲案に対して、こう警鐘を鳴らします。このまま改憲が進めば、一体どのような問題が起こってしまうのでしょうか?

 

日本にとって「憲法改正」は戦後の "しがらみ" から脱却し、自立した国家となるために、何よりも大事なことです。 しかし、世間では「改憲するか、しないか」の議論ばかりで、どうやって改正すべきか? 憲法とは本質的にどうあるべきか?…という議論が十分にされていないのではないでしょうか。(憲法改正は「目的」ではなく「手段」であるはずです。)

 

そこで今回は、軍事・歴史・世界情勢などに精通される一流の先生方に寄稿をお願いし、幅広い視点から「憲法問題」の本質に斬り込んで頂きました。

 

この『Renaissance』を読めば、既存の考え方に囚われない本質的な視点、もっと広い視点から、憲法改正について理解することができるでしょう。ぜひ本書を手に取り、2020年の幕開けにふさわしい「日本国憲法」の在り方について考えてみてください。

目次

01  今さら聞けない「憲法」基礎知識

 

02【西尾幹二】日本人の日本人による「憲法前文」私案

 

03【藤井厳喜】そもそも国家運営するのに憲法なんて必要なのだろうか?

 

04【呉 智英】戦争を知らない子供たち、大人たち

 

05【丸谷元人】今、問われる「真の独立国家」への覚悟

 

06【惠隆之介】このままでは国滅び9条残る!1日も早い憲法改正を

 

07【北野幸伯】世界の常識 vs 日本の取り繕い自民党憲法改正案はとても変!

 

08【飯柴智亮】自衛隊明記は意味ない?国防軍として自立する憲法に!

 

09【ケント・ギルバート】不平等条約を撤廃した明治人、不平等条約を信奉する現代人

 

10【ペマ・ギャルポ】日本国民よ、目を覚ませ!チベット弾圧経験者の警鐘

 

11 「憲法川柳」コンテスト受賞作品発表!

 

12 「2019年」を表す漢字

 

13 【若手社員座談会】なぜ日本は国際社会で強くなれないのか?

 

14   編集後記