はじめての哲学 vol.1「西洋哲学入門〜賢い人ほど真理から遠ざかるワケ」

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1巻目は、西洋哲学の紹介と批判です。哲学というと、ふつうは西洋哲学を指します。



西洋哲学は、二千数百年の長い歴史を持っています。それは論理的な言葉の使い方について鍛え抜かれていて、圧倒的と言ってもよい重みがあります。



しかし初めにカントやヘーゲルの言葉にいきなり接しても、何を言っているのかちんぷんかんぷんに思ってしまうでしょう。



西洋哲学の世界は、そこに至るまでの長い歴史を持っているので、それは一つの論理的言語の訓練システムだと言ってもいいでしょう。



いきなりテニスのラケットを握ってもうまくボールが打てないのと同じです。でもあきらめずに、あの独特の癖のあることばの世界に浸っているうちに、彼らが何を問題にしているのかが見えてきます。



それは、世界はどのようにできているのかとか、「知る」とはどういうことかとか、「人間は自由なのか」とか、「善」とは何かなどを問題にしています。



彼ら西洋哲学者たちが、これらの問題にどんなアプローチをしているかを知ることで、物事を考える癖が身につきます。しかし同時に、そんな考え方をするのは、どうも自分には合わないといった、批判精神も芽生えてきます。日本人には日本人らしい考え方があってよいからです。



つまり、他者を知ることで自分をよりよく知ることができるはずです。初めに哲学とは疑う心構えを持つことだと言いましたが、その心構えを西洋哲学に対して逆用することもできるわけです。



西洋哲学にも、ええ? そんなのおかしいよ、という部分がいっぱいあります。そういう相対化と自己認識の糸口をつかむために、この1巻目は編まれています。



ですから、この講座を学ばないと、西洋哲学の名声と成果に目を奪われて何でも彼らの言っていることを正しいと信じてしまうか、そうでなければ、あれはなんだか難しいことを言っているが、とにかく論理的な言葉の殿堂なのだからそういうものとして神棚に祀り上げしておこうという態度を取るか、どちらかになってしまうでしょう。



いずれにしても、その内実を確かめずに偉いものと認める権威主義に陥ります。西洋的論理の奴隷になってしまう危険があるのです。人間には、難しいことを言っている人を、それだけで崇めてしまう傾向があるからです。「王様は裸だ」と言える心構えを堅持するためにも、標的をよく知る必要があります。