近世から近代へー日本四百年の苦闘 ~戦争、文明、死生観ーなぜ明治日本は西洋支配に立ち向かうことができたのか? vol.2 『講孟余話』『留魂録』から読み解く吉田松陰の魂〜戦後日本で封印された明治維新の発火点

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吉田松陰が叔父から引き継ぐ形で開いた「松下村塾」。ここから高杉晋作、久坂玄瑞、木戸孝允、そして内閣総理大臣として活躍した伊藤博文などを輩出しました。



これだけを見ても明らかなように、吉田松陰は、明治維新をなしとげ、動かしていった重要人物たちへ多大な影響を与えたキーパーソンです。



しかし、戦後、吉田松陰はどのように伝えられているかというと、、、

歴史評論家の原田伊織氏はダイヤモンドオンラインの『吉田松陰はテロリストだった!?』という記事でこう書いています。 「結論だけを述べれば、彼らは現代流にいえば暗殺者集団、つまりテロリストたちである。」 また、歴史家の武田鏡村氏は「薩長史観」では、東洋経済オンライン『吉田松陰は本当に「高潔な教育者」だったのか - テロを扇動し「アジア侵略」まで唱えた激情家』でこう書いています。



こうした暗殺や襲撃については口をつぐんでいるが、彼らは明らかに犯罪者であり、テロリストだったのである。もはや吉田松陰は、教育者というよりは、激情を門弟たちに燃え移らせる暴力の扇動家であったと言えるのではないか。



松浦先生は、吉田松陰が書き残したものは、いまの日本人には読めなくなっている、と言います。



しかし、彼らのうち、どれだけの人が、吉田松陰が実際に書き残したものを読んでいるでしょうか? 「戦後教育」が長くつづいているうちに、いまの私たちにとって、松蔭が書き残した数々の文章の「原文」は、ある意味、外国語よりも難しいものになっているでしょう。わずか百数十年前 の先人たちの言葉が、もうほとんど通じなくなっている……という日本の現実は、考えてみれば恐ろしいことです。この現実は、我が民族を民族としてつないできた〝心の糸〟がいま、切れかかっていることを暗示しているのではないでしょうか。明治になって急にテロ集団が現れて、政府を作り、日本を乗っ取ったというようなことが、本当にあるでしょうか? あなたはどう思いますか?



松浦先生は今も毎年、多くの学生とともに、松蔭の書き残したものを原文で読み、講義をされています。 松浦先生は言います。



「歴史的に見ると、同様のことは「植民地」にされた民族に、しばしば見られる現象ですが、もしかしたら、いまの日本も、実は民族の〝心の糸〟という点では、もう、どこか外国の「植民地」になりつつあるのかもしれません」 この講座は、その切れかかった民族の〝心の糸〟を結び直し、未来へつなぐための、私たちなりの、ささやかな抵抗のこころみの一つです。