解説講義『葉隠入門』(解説:藤井聡)



「武士道といふは死ぬ事と見つけたり」
武士の生き様を説いた、あまりにも有名な一節...
しかし、わずか17文字に、日本人は306年間も翻弄され続けてきました。
幕末、明治維新、大東亜戦争、GHQ占領期など...
ある時代では『葉隠』は死の美学とされ、座右の書や、人生のバイブルとして愛読されてきました。かたや犬死の書と罵られ、忌み嫌われ、禁書にされてしまった過去もあります。
まさに歴史上類を見ないほど、数奇な運命を辿ってきた珍しい書物と言っても過言ではありません。
ところが、その中身を紐解いてみると...
『葉隠』は天才作家・三島由紀夫をして「感銘を受けた一冊」と絶賛させた本であります。さらに幕末、明治維新、大東亜戦争、GHQ占領期など時代を超えて、武士、軍人、思想家、大学教授、学生、主婦、また外国人までも魅了し続けてきた至極の名著といえます。
もとは口伝がきっかけで誕生した書物であり、また人づてに書き写されてきたため、決まった著者がいません。にもかかわらず、数百年にわたって読み継がれてきたのは、著者よりも内容が素晴らしいという何よりの証拠ではないでしょうか?
『葉隠』には、二千年にわたる悠久の歴史の中で、日本人が育んできた思想や人生哲学、いわゆる「日本精神」がギッシリと詰め込まれています。さらに先人たちが『葉隠』を大切に読み継いできたからこそ、子孫の代まで日本精神を絶やすことなく、しっかりと受け継いでこられたのではないでしょうか?
『葉隠』を正しく読み解くことができれば、先人のように強靭で健全な日本精神を育むことができます。たとえ、欧米のグローバリズムや新自由主義という荒波が襲いかかってきたとしても、それになぎ倒されることなく、丈夫に生き抜くことができるのです。
ですが、ひとたび解釈を間違って読み解けば、逆の誤った教えを学んでしまい、『葉隠』本来の価値を見失うばかりか、犬死の書や禁書といった良からぬ感情を抱いてしまう危険も潜んでいます。
例えば、
戦中の特攻隊員が『葉隠』から日本精神を学んでいたことから、
戦後の左翼学者はこぞって『葉隠』を猛烈に批判していました。
戦後日本では、『葉隠』本来が持つ価値が伝わることなく、間違った解釈ばかりが蔓延し、ついには、禁書になってしまったのです。
GHQに戦前の記憶をごっそりと消されただけでなく、日本人としての精神を学ぶ大切な機会も失われていく…
このまま戦後日本人の精神が腐敗してしまうことを本気で阻止するために、ある一人の男が立ち上がりました。
その男とは三島由紀夫です。
『葉隠』を人生のバイブルとしていた三島由紀夫(⽂学者)は
「いつも⾃分の机の周辺に置き、以後20数年間読んで、感銘を新たにした本はこれしかない」
と明言し、『葉隠』を『葉隠入門』として現代に蘇らせました。
この講座では
・『葉隠』とはどんな本なのか?
・三島由紀夫が伝えたかった『葉隠』に詰められたエッセンスとは何か?
・現代⼈は『葉隠入門』からどんな教訓を得られるのか? など
『葉隠入門』をただ古典解説するだけではなく、
それを著した⼈物、それが書かれた時代背景、それが⽇本に及ぼした影響、
さらに現代⼈への教訓にいたるまで幅広く取り上げ、どこよりも深く掘り下げていきます。
この機会に『葉隠入門』から失われた日本精神を取り戻しませんか?