世界の名著シングルコレクション_ベルグソン『思考と動き』

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著作・販売株式会社経営科学出版


アンリ・ベルクソン(1859–1941)は、フランスを代表する哲学者です。時間や生命、意識の問題を独自の視点から考え、1907年の著作『創造的進化』で世界的に注目されました。1927年にはノーベル文学賞も受賞しています。理屈だけで世界を理解しようとする近代的な考え方に疑問を投げかけ、「生きた経験」を大切にする哲学を打ち立てました。
『思考と動き』は、ベルクソンの思想をまとめた論文集で、「人は世界をどう考え、どう感じているのか」をテーマにしています。ベルクソンは、私たちの頭の中の思考は、本来つねに流れ続け、止まることのない「動き」だと考えました。しかし人間は、それを言葉や数字で説明しようとすると、動きを止めて、バラバラのものとして捉えてしまうと言います。
たとえば、時間を時計で区切ると「1秒、2秒」と分けられますが、実際に生きている時間の感覚は、もっと連続的で流れるようなものです。ベルクソンはこの生きた時間を「持続」と呼び、理屈ではなく直感によってこそ理解できると主張しました。この考え方は、機械のように人間を説明しようとする見方への強い批判でもありました。
『思考と動き』は、科学や効率が重視される現代において、「人間の感じ方は数字や理論だけでは説明できない」ことを教えてくれます。自分の感覚や直感を信じることの大切さを示したこの本は、今でも哲学や文学、芸術に大きな影響を与え続けています。