スーパーファンのつくり方 顧客とあなたを結ぶストーリーの力



2011年にアメリカで、ペットの通販サイトを運営する会社が作られました。
この会社は、創業初年で売上が26億円。創業から6年後の2017年には、年間売上が2000億円にまで成長。ペットフードのオンライン販売でシェア51%と、国内シェアの半数以上を占めるまで成長したのです。
一体、なぜ創業からたった7年でここまで成長することができたのか?その秘訣をシェアしようと思います。
あるところに、犬を2匹買っている女性がいました。犬には、ノミ・ダニが寄生することがあるから、ノミ・ダニの予防薬だったり駆除薬を使うのが一般的。その女性も、犬の背中に駆除薬を塗っていました。
ところがある晩女性が目覚めるとなんと、犬がもう1匹の背中に塗っている薬を舐めていたんです。薬だから何が起こるかわからない…もしかしたら、病気になってしまうかも…パニックになってしまったのです。
時間は、深夜2時。こんな時間は普通、どこの会社も電話対応していません。しかし、幸いその会社は24時間対応しており、いつでも問い合わせしていいとのこと。急いで問い合わせをしました。
「うちのワンちゃんが、ダニの駆除薬を飲んじゃったの!どうしよう、、」
慌てて状況を説明したにも関わらず、親切なスタッフがすぐに薬の成分を調べてくれて、何すべきかを順番に教えてくれたのです。しかし、それだけではありません。
対応を教えてもらった後、電話切る前にそのスタッフが、塗るタイプではない、食べるタイプの薬があることを教えてくれたんです。そして、後日かかりつけの獣医に電話して、噛むタイプの薬の処方箋を出すようにお願いまでしてくれた。
さらに、残ってしまった塗り薬の返金までしてくれたのです!
要するに、深夜2時の急な電話に親切に対応してくれて、かかりつけの獣医に処方箋の依頼をしてくれ、さらに残った分の薬の代金を返金までしてくれました。
これは、なにも電話した人が優良顧客・特別なお客さん、というわけではありませんでした。それでも、このような神対応をしてくれたのです!
こんな素晴らしい体験をしたら、次何かあっても「またここで買おう!」ってなりますよね。実際この方は6年経った今でも、毎月この会社からドッグフードやおやつ、予防薬を買っており、その総額は数十万円以上にもなるといいます。
この会社のエピソードは他にも、、、
・何も注文してない日に、サプライズとして急に、愛犬のポートレート絵画が送られてきたり、
・愛犬が亡くなった時に、花束を送られてきたり、
・ペットの猫が亡くなったときに、それまで購入していた合計10万円以上の治療薬の代金を返金してくれた、、、
こんなお話が山ほどあります。
この会社は何も、商品が他と比べて優れている、というわけではありません。むしろペットの通販なので、他でも買えるような商品を扱っています。しかし、優れた顧客体験によって、一度この会社から買ったお客さんは、何度もこの会社を利用し続けるファンになっているんです!
その結果、急成長を遂げることに成功しました。つまり、この会社が成長した秘訣は、「優れた顧客体験」にありました。
では、優れた顧客体験とは何でしょうか?
顧客体験というのは、お客さんが商品を買う時に体験する一連の流れのことであり、その体験から感じる価値のこと。
そして顧客体験というのは、「合理的な部分」と「感情的な部分」に分けられます。
合理的な部分とは、どんな機能があるのか?や性能はどうなのか?といった、商品やサービスそれ自体を指すことが多いです。
一方、感情的な部分というのは、商品の購入前〜利用後までにお客さんが感じる価値のこと。
例えば、
・接客の時に、こちらの相談を親身になって聞いてくれた。
・商品自体は他と大差ないけど、シンプルでかっこいい。
・何か困りごとがあった時に、アフターフォローが手厚い。
といった、物差しでは測れない付加価値を指します。
顧客体験で重要なのは、感情的な部分です。実際に「感情的に満足している」と回答した人は、「合理的に満足している」と回答した人よりも利用頻度が多く、金額としても1.8倍多く支払いをしていることがわかっています。
つまり、優れた顧客体験を作るには、感情的に満足させる事が必要です。
では、具体的にどうすればいいのか?
顧客体験というのは、長い時間をかけてじわじわできるものではなく、一度の感動的な体験によって作られます。
例えば、
・深夜の電話に、懇切丁寧に対応してくれる、とか、
・何かの記念日に、心を込めた手書きのメッセージカードをもらう、とか、
・何もない日に、サプライズで急にプレゼントが届く、など、、
このように、一度感動的な体験をしたお客さんは、多少の不満があったとしても、その不満を帳消しにして、何度もあなたを利用したいと思うようになります。
感動的な体験のポイントとなるのは、相手の期待を超えること。
お客さんが何を望んでいるのか?その基準はどのくらいなのか?を考える。そして、それ以上のサービスを提供することで、相手の期待を超えることができます。
「あなたがずば抜けた体験を生み出せば、顧客の記憶に残る。顧客はあなたのところに戻ってくるし、友だちにもその体験を話すだろう」
そう語るのは、ブリタリー・ホダック。
彼女はこれまで、ディズニーやアマゾン、ウォルマートなど世界的ブランドのファン化指導を行っており、また、テイラー・スウィフトやケイティ・ペリーといった世界的スターとも仕事をしてきました。
彼女そんな経験から、SUPERモデルによって、スーパーファンを作ることができるといいます。
SUPERモデルとは、
S:あなたのストーリーで始める
U:顧客のストーリーを理解する
P:パーソナライズする
E:顧客の期待を上回る
R:繰り返す
の5つです。
S:あなたのストーリーで始める
なぜ、あなたのストーリーから始めるのか?それは、明確に定義されたストーリーには、あなたのブランドを顧客や見込み客の頭に真っ先に思い浮かぶブランドにする力があるからです。
現在、そして将来、あなたの商品を他社と差別化するものとは何か?誰も真似できない秘策とは?それがあなたのストーリーです。あなたのストーリーを語ることは、あなたが実践できる最も効果的で収益性の高い手法の1つなのです。
U:顧客のストーリーを理解する
スーパーファンは、あなたのストーリーと顧客のストーリーが交わるところに生まれます。なので、あなたのストーリーを明確にした次は、顧客のストーリーに目を向ける必要があるのです。
顧客のストーリーを理解すれば、特定の人の印象に残るメッセージを作ることができ、これまで以上にこれまで以上に顧客との距離を縮めることができます。
P:パーソナライズする
「SUPER」モデルの3つ目のステップは、パーソナライズ、つまり、お客さんに合わせて接することです。あなたがお客さんに大事に思われたいのと同様に、お客さんもあなたに大事にされたいと思っています。
例えば、スターバックスの紙コップに自分の名前が書いてあると嬉しい気持ちになりますよね。同じ商品・サービスを提供していたとしても、パーソナライズされた体験は、価値を生み出します。
E:顧客の期待を上回る
「SUPER」のEは、期待を上まわることです。
今日の競争環境において、顧客はあなたの商品やサービスを、これまで利用した競合の商品・サービスと比較するわけではありません。顧客は、これまで利用してきた、すべての商品・サービスの中で最高の体験と比較しているのです。顧客の期待を上まわる要素は、「あればラッキー」なものではなく「なくてはならない」ものなのです。
R:繰り返す
最高の顧客体験は偶然生まれるわけではありません。接客や商品の利用時、またアフターサービスなど、すべてのタイミングで生まれるものであり、しかも一度限りではなく繰り返されます。
最高の顧客体験は、1度限りのものではいけません。お客さんが何度利用しても、その度に最高の体験をしてもらう必要があります。そうすればあなたのお客さんは、一生のファン、つまりスーパーファンになってくれます。
このモデルはこれまで、10年以上の間で何千人ものリーダーに広められてきており、顧客体験の考え方をリフレーミングする方法として『フォーチュン』誌500社に入る多くの企業に導入されています。
では、具体的にどうすればいいのか?
それが、書籍、「スーパーファンの作り方」のメインテーマです。

ブリタニー・ホダックは、受賞歴のある起業家、作家、顧客体験の講演者であり、American Expressや国連など、世界中で基調講演をしてきました。
これまでウォルマートやディズニー、Amazonなど数十の世界的ブランドを含むエンゲージメントキャンペーンを指揮してきました。また、テイラー・スウィフトをはじめとする世界的スターとも仕事をしています。
彼女はエンターテイメントのスタートアップを設立し、10億円の規模に成長させました。
彼女の初の書籍「スーパーファンの作り方」は、128件のレビューで★4.9/5.0。そのうち、★5の評価が95%を占めます。また本書は、2024年優秀文学賞セールス&マーケティングブックオブザイヤーを受賞しました。