Vision Driven 理想の会社を作る10の質問



その2つの会社には、いくつか共通点がありました。
どちらもフィルム・カメラ関連の事業を中心に経営しており、どちらも80年以上続く老舗企業で、世界的に有名な企業でもありました。
その2社とは、コダック社と富士フィルム社。
この2社を簡単に紹介すると…
コダック社は、創業から90年間、市場シェア90%を誇る業界の最大手企業でした。技術では常に最先端を走り、モノクロ写真からカラーフィルム、デジタル写真への移行など、常に業界を牽引してきました。
そして富士フィルムは、そんな巨人「コダック」の後を追い、追い越すことを目標に、フィルム・カメラ事業を続けていました。
どちらの企業も、売上は順調だったのですが、、、
しかし、社会のデジタル化によって、フィルム市場はどんどん縮小していきます。フィルムカメラの売上は、2001年にピークを迎え、2010年には、売上が10分の1になっていました。
多くの人が、フィルムカメラで写真を取るのではなく、デジカメで写真を撮るようになりました。すると、カメラが売れなくなったわけです。
どちらの企業も、危機的な状況になったのですが、全く違った対応を取りました。
コダック社は、デジタル化のトレンドに合わせて、新たにデジタルカメラの生産に注力しました。
アナログからデジタルへの移行は困難を極めましたが、それでも、なんとかデジタル化に成功。デジカメ市場でもトップシェアを誇り、他社の追随を許しませんでした。
しかし、その後、携帯の写真やスマートフォンが登場することで、デジタルカメラを買って、写真を撮るのではなく、携帯で写真を撮る、スマホで写真を撮るようになっていきました。
デジタルカメラの市場でトップシェアを取ったものの、その市場も衰退して、最終的には2012年に倒産してしまいました。
一方の、富士フィルムは、従来取り扱っていた「カメラ」にこだわるのではなく、自社が持っていた、カメラの技術に注目しました。
持っていた技術を応用して、将来需要がある分野を探しました。そして、医薬品や化粧品、液晶パネルなど、別の分野に事業を展開したのです。
その結果、業績が回復して、今も残る会社になっているのですが、、、
何が、この違いを生み出したのでしょうか?
・もともと持っていた技術の違いではありません。
・トレンドをいち早く掴んでいたわけでもありません。
・保有していた知識に差があったわけでもありません。
その違いは、会社のビジョンにありました。
倒産したコダック社は、社会のデジタル化に対して、ビジョンを持つ事なく、目先の売上をあげることに取り組んだんです。
数年は生き延びる事ができましたが、スマートフォンが市場に現れた時に、デジタルカメラの市場も一気に縮小してしまい、最終的に赤字になってしまいました。
一方、富士フィルムは、急速なデジタル化により「本業が消失してしまう」という、創業以来最大の危機に直面しました。そこで富士フィルムは”vision75”という経営計画を策定したんです。
そこで、「21世紀を通じてリーディングカンパニーとして生き続ける」というビジョンを立てました。
このビジョンを達成するために、何をするべきか?を考えると、カメラ・フィルム事業にこだわる。という選択肢はありませんでした。
そのかわりに、21世紀を通じて生き続けるためには、将来需要あるジャンルに進出する。そのための戦略を考えて、取り組んだんです。
それが、カメラで培った技術を、今後も伸びるであろう、医療、化粧品、などに適用して、事業を進めることにしたんです。
ビジョンが魅力的でありさえすれば、たとえ障害や反対があったとしても、人はその実現のために熱心に考え、努力する
と言ったのは、マイケルハイアット。
ビジョンがあれば、自分の目指す場所がわかるが、ビジョンが無ければ、当てもなく歩き回るしかない。
危機的な状況に陥った時、コダック社は、ビジョンがないまま突き進んだ結果、打ち手を間違い、倒産してしまった。
一方で、富士フィルムは、危機的な状況だったが、ビジョンを作ることによって、この大きな危機を乗り越えて、自ら新しい事業を立ち上げて、成長することに成功しました。
では、どのようにビジョンを作れば良いのか?作ったビジョンを社員やメンバーに浸透させるにはどうしたら良いのか?
それが書籍、「VisionDriven」のメインテーマです。