HEROの法則 仕事もプライベートも劇的に変わる意味ある人生シナリオの作り方

ー前書きより
物語には4人の登場人物がいる。
被害者:窮地に陥り、もうだめだと絶望するキャラ
悪役:他の登場人物を見下すキャラ
ヒーロー(主人公):試練に立ち向かい、立ち向かう過程で成長していくキャラ
導き手:ヒーローを支え助けるキャラ
…そして、現実世界にも4人のキャラが、自分の中にいる。私は日々、4種のキャラ全部をとっかえひっかえ演じている。
不当な試練に直面したら、つかの間被害者役を演じ、自己憐憫(じこれんびん)に浸る。理不尽な扱いを受けたら、悪役ばりに復讐を夢見る。何か名案を思いついて実行に移したくなったら、ヒーロー・モードに切り替えて行動に出る。誰かにアドバイスを求められたら、導き手役を演じる。
問題は、どのキャラを演じるかで人生が大きく変わってしまうこと。はじめの2つを選ぶと人生は破綻する。他の2つを選べば意味ある人生が待っている。
私は長年のあいだ、もっぱら被害者役ばかりを演じ続けていた。被害者思考に浸っていたせいで、なんとも冴えない人生を送っていた。
私は自分という人間が嫌いだった。自分の人生も嫌いだったし、人から尊敬されることもなかった。収入もなければ、健全な人間関係も築けず、職業人としても決して有能とは言えなかった。
しかし、ある時、大きな気づきがあった。それは、問題は自分の置かれた境遇でもなければ育ちでもなく、過去のトラウマですらない、という発見だった。つまり、「自分が自分という人間をどうとらえているか」が問題だったのだ。
そして私は、物語のヒーローのように生きることを実践した。(物語のヒーローのように生きること、といっても、読者が想像するような生き方とはだいぶ違う。ヒーローは実は強くも有能でもない。ヒーローは成長途上の被害者にすぎない。)
それをきっかけに、私の人生は好転していった。それまでは惨めな心境だったのが、充足感を感じられるようになった。非生産的だったのが、生産的になった。人と距離を詰めることに不安があったのが、親密な人間関係を楽しめるようになった。何よりも、それまでは人生など無意味だと感じていたのが、生きる意味を実感できるようになった。
では、具体的にはどうすればヒーローのように生きられるのか? どうすれば生きる意味を実感できる人生を送ることができるのか?
それこそが本書のテーマだ。
私は、意味のある人生を送りたいなら押さえておくべき諸法則を、実践的なシステムにまとめ上げた。これからご紹介するシンプルで使いやすいシステムを活用していただければ、どんな人でも、生きる意味を実感しつつ人生を送ることができる。
生きる意味を見出せず虚しさにとらわれている方、これまでの人生に嫌気がさしている方、過去をリセットして新たな人生を築きたいという方のために、本書がお役に立つことを願っている。
●映画や小説などストーリーの共通要素を実生活に応用
映画や小説などのストーリーには4人の登場人物がいて、そして現実世界にも4人の登場人物(被害者、悪役、ヒーロー、導き手)がいます。
そして、そこに登場するヒーローに共通する法則を探り、その法則を実生活に応用した人生戦略を明かしたのが本書、HEROの法則です。
また著者は、人生という物語の"作者"についてこう語っています。
「好むと好まざるとにかかわらず、人生とは物語である。自分の人生は意味に満ちた、ワクワクするような物語だと思える人もたくさんいるだろう。
しかし他方では、まるで作者がプロット(筋書き)を見失ってしまった物語を生きているようだ、と嘆く人もいる。こう考えてくると、疑問が生まれる『私たちの人生の物語の作者は誰か?』それは…自分の人生という物語の作者は、自分自身だ」
●強制収容所から生まれた心理療法ロゴセラピー(意味のセラピー)
『霧と夜』の作者であり、ナチスの強制収容所から奇跡的に生還した心理学者ヴィクトール・フランクルは「たとえ極度の苦難のなかにあっても、それでも人生には意味がある」との考えをもとに、ロゴセラピー(意味のセラピー)を生み出しました。
この手法の核にあるのが「個人の主体性」。彼によれば、人生に意味があると思うかどうかは自分次第。「自分のため」を超えた目的を目指して計画的に人生を送ることで、生きる意味を実感できると言います。
このセラピーは、自殺願望のある患者に対して効果が現れたのですが、これを実業家ドナルドミラーは、これを自分の仕事人生に適応することで、被害者としての人生を脱却し、主人公あるいは導き手として「意味ある人生」を送れるようになりました。
本書では、彼の実体験とともに、ロゴセラピーを日常に落とし込むためのツールも紹介されています。
●意味ある物語が生まれるツールライフプラン構築ワーク付き
私たちはどのように人生を生き、その中でどんなシナリオを描きたいのでしょう?
それを明確にするのが本書内のビジョン・ワークシートです。ここでは10ヵ年、5ヵ年、1ヵ年ごとに人生の目標を立てるのですが、ライフプラン構築に向けた最初のステップは、「自分の弔辞を書く」ことだと著者は言います。
「意味に満ちた物語を生きようと思ったら、この一風変わったエクササイズをやってみるのが一番だ。自分がいままさに人生の終焉を迎えようとしていると想定して、それまでの人生を振り返り、どんな一生だったかを書いてみよう。縁起でもないと思われるかもしれないが、いざ書いてみれば、ライフプランの焦点を絞り込むのに役立つだけでなく、インスピレーションのきっかけにもなると実感できる」

『ニューヨークタイムズ』紙のベストセラー作家
ドナルド・ミラー
ドナルド・ミラーは、ビジネスメイドシンプル(Business Made Simple)社の CEO であり、ストーリーブランド・マーケティングフレームワークの考案者。
そのフレームワークを使用して自社のマーケティングメッセージを明確にした企業は1万社を超える。
また、ポッドキャスト番組『Building a StoryBrand(ストーリーブランドの構築)』では共同司会者を務める。
著書にベストセラーになった小説『Blue Like Jazz(仮邦題:ジャズのようにブルーに)』(2012年にドラマ化)、『A Million Miles in a Thousand Years(仮邦題:千年で100マイル)』のほか、『WEB 集客のシンプル戦略』『バリュー・ドリブン戦略』(いずれもダイレクト出版刊)など、全10冊の著書を刊行。妻ベッツィー、娘エマリンとともにテネシー州ナッシュビル在住。