脳科学プライシング 誰も知らなかった「価格」の作り方



これは実話です。
ニューヨークに、ギネス記録に認定されたサンドイッチがあります。何がギネス記録なのか?というと、その価格。
普通、サンドイッチといえばせいぜい数百円程度。コンビニやスーパーで手軽に買えますし、アメリカの大手飲食チェーンなら400円ほどで手に入ります。
しかし、このお店で提供されているサンドイッチは、なんと21,400円。
「世界一高価なサンドイッチ」として、ギネス記録に認定されているんです。
数百円で買えるサンドイッチが2万円──普通に考えれば、
「そんなもの、誰が買うんだ?」と思うでしょう。
しかし、このお店は、「ニューヨークで一度は訪れたいレストラン」として、
連日お客さんで賑わっているんです。
一体なぜか?その秘密をお話しします…
このサンドイッチの話はSNSやインターネット上で広まっており、
試食動画は180万回以上も再生されているんです!
そして、動画の中でサンドイッチは、こんな風に紹介されています…
「パンにはドンペリ(シャンパンの王様)を使って焼いた、美しいフランス製を使います。
ご覧のとおり、23カラットの金箔が練り込んであります。
ここで白トリュフバターを少し取って、このパンに塗ります。
すると、焼いたときに、すばらしい食感と芳醇な香りが生まれます。
そして、使用するチーズは南イタリアにわずか2万5000頭しか生息していないポドリコ牛のミルクで作られた、カチョカヴァッロ・ポドリコ(南イタリアのチーズの王様)です。
ポドリコ牛には、野イチゴや甘草など、香りのよい草を食べさせ、5月と6月にのみ搾乳できます…」
このように、シェフは一貫して、高級な素材を使っていることや、
特別な調理法を行なっているなど、サンドイッチが持つ価値を伝えています。
また、それだけではありません。
このサンドイッチの注文は、事前予約を必須になっており、
記事やニュースで取り上げられる度に、行列ができています。
(映画の舞台にもなっており、ある時は、予約が2ヶ月先まで埋まる、なんてこともありました…)
極め付けは、アメリカの元大統領夫人や、人気女優マリリン・モンローといった有名人が通っていたり、
女優で歌手のセレーナ・ゴメスがお店に惚れ込んだ結果、
共同経営者にまでなったというエピソードもあります。
・最高級の限られた素材を使っていて、
・そのため事前予約が必須。
・映画の舞台として登場し、
・ニュースになるたびに行列ができ、
・セレブや有名人が惚れ込むお店
どうでしょうか?こう言われると、食べてみたい!と思うのではないでしょうか?
お店に来るお客さんは、こうした事前情報を仕入れており、食べる前から期待は最高潮。
ただのサンドイッチを「人生で一度は味わうべき、最も贅沢な食事」として、料理を楽しんでいます。
その結果、世界一高価なサンドイッチには、お客が殺到。
このお店は、年間15万人が訪れる人気のレストランになっているんです!
この話のポイント。それは、
**「相手にとっての価値を伝えれば、価格は大した問題ではなくなる」**ということ。
価格、つまり最終的な数字だけを見ているのであれば、
ただのサンドイッチに、2万円も払う人はいませんよね。
一方で、お客が殺到するレストランでは、
そのサンドイッチを売るのに「他と比べて高い」とか
「普通のものとは違う」とは言いませんでした。
そうではなく、「最高級の限られた素材を使った、
人生で一度は味わうべき、最も贅沢な食事」として、特別な体験を売った結果、
世界一高価なサンドイッチが売れていったのです。
例えば、高級車として知られるフェラーリ。
フェラーリは、「需要マイナス1台」といって、
"欲しがってる人の数"よりも"作る車の数"を意図的に減らしています。
つまり供給を制限し、希少性を高めています。
また一度作ったら二度と売り出さない、限定モデルを出しています。その結果、
・1億円以上する車が予約販売で完売
・新車よりも中古の限定車の方が高く売れる
という逆転現象が起こっています。少し想像して欲しいのですが、
フェラーリを買うお客さんは、価格を見て買っていると思いますか?
1億円という金額をほとんど気にしていないのではないでしょうか?
「価格設定で重要なのは、値札の金額ではなく、商品・サービスをとりまく価値であり、認識であり、体験である。」
-人間心理の専門家、メリーナ・パーマー
そう語るのは、人間心理の専門家、メリーナ・パーマー。彼女はこれまで行動科学、つまり人の脳がどんな反応するか?を元に、どうしたらもっと簡単に売れるのか?を考えてきました。
そして、その中で気づいたことは、**重要なのは価格(=最終的な値札の数字)ではなく、価格設定の前に起こるすべての事(=心理的な要因や、顧客とあなたの脳内で起こること)**だといいます。
では、具体的にどうすれば相手にとっての価値を高め、お客が無意識に「欲しい」と思う"値付け"ができるのか?それが書籍『脳科学プライシング』のメインテーマです。

メリーナ・パーマーは、Google/Apple/Walmart...を指導してきた、行動科学のスペシャリストです。
彼女は応用行動経済学者として、どのように人間は動くのか?について研究。そして、その知見をビジネスで応用する方法について考えてきました。
これまでのクライアントは、Google、Apple、ウォルマート、P&Gなどを持ち、世界中の企業や人々の価格設定を手助けしてきました。
また、彼女のポッドキャストは、世界170カ国で100万回でダウンロードされ、「会社の発展に役立つビジネスポッドキャストベスト10(Inc誌)」「すべてのビジネスパーソンが聞くべき心理学ポッドキャスト第1位(Psychology Today)」と称賛されています。
また、ベストセラー書籍を3冊を持ち、TEDでの講演経験もあり、いまでは一度の講演料は、最低100万円が必要です。
そんな彼女が、クライアントに実際教えてる内容を、1冊の書籍にまとめ、専門知識がない人でも、売れる値付けができるように2024年の1月にアメリカで書籍化されました。
そして、それを翻訳して、日本で初めて出版したのが、書籍『脳科学プライシング』です。